「飲む点滴」糀甘酒の栄養成分から、体が期待する健康効果5選を紹介

甘酒提灯 発酵食

初詣や縁日でふるまわれる甘酒、実は発酵食で、日本のスーパーフードの一種だということをご存じですか?甘酒には約20%のブドウ糖が含まれ、オリゴ糖や食物繊維、ビタミンB群やミネラルなどが豊富に含まれているため、「飲む点滴」「飲む美容液」とも言われています。近年、テレビ番組や雑誌の特集などで、度々取り上げられたことによって、甘酒は大ブームとなり、日本各地で甘酒専門店もオープンされるほど人気です。

一方、甘酒の独特な風味が苦手な人も多いようです。私も最近までは、甘酒にあまり詳しくなくて、初詣の帰りに一回飲んだことはありますが、甘すぎてあまり好きではありませんでした。

私が甘酒を好きになったきっかけは塩麹作りに使う米麹のパッケージに、甘酒のレシピもあったので、試しに甘酒を作ってみました。その甘酒は自然な甘さで飲みやすくて感動しました。あれから、甘酒が好きになり、いろいろ調べて、関連書籍や雑誌など8冊以上を読みました。

この記事は、甘酒の関連書籍を8冊以上読んだ私が、甘酒の体に嬉しい健康効果についてまとめました。また、甘酒のおすすめの飲み方や甘酒レシピも紹介します。この記事を読み終えたら、きっと甘酒が好きになり、今にでも飲みたくなるに違いありません。ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

甘酒の種類

甘酒は、炊いたお米に米麹を混ぜて、発酵する日本の伝統的な甘味料の一種です。甘酒は大きく分けて2種類があり、酒粕甘酒と米麹甘酒です。

酒粕甘酒

酒粕甘酒は、日本酒の搾り粕をお湯で溶かし、砂糖で甘みをつけて手軽に飲める甘酒です。酒粕甘酒も栄養価が高いですが、砂糖を加えることで、カロリーが高くなります。また、酒粕には約8%アルコール分を含まれるため、子ども、妊娠授乳中の方や運転される方には飲めません。一度沸騰してアルコール分を飛ばしてから飲みましょう。

米麹甘酒

米麹甘酒は、炊いたお米に米麹と水を加えて混ぜて、55℃~60℃の温度で6~10時間かけて発酵させたものです。名前に「酒」と書きますが、アルコール分は含まれていません。米麹甘酒は発酵のプロセスを経て、100%自然の甘みが生み出します。
米麹に含まれる酵素がお米のでんぷんやタンパク質を分解し、でんぷんをブドウ糖やオリゴ糖に、タンパク質をアミノ酸に変えます。発酵で得た糖やアミノ酸のおかげで、人が甘くておいしいと感じるのです。米麹甘酒は、アルコールが入っていないので、子どもやアルコールが苦手な方でも安心して飲むことができます。

麹と糀の違いは?

麹は、蒸した穀物や豆類に「麹菌」と呼ばれるカビを生やしたものです。麹菌は日本の環境でしか育たないため、「国菌こっきん」に指定されています。この麹菌を米に生やせば米麹、麦に生やせば麦麹、豆に生やせば豆麹になります。
糀は米麹のことです。米についた菌糸と胞子が花のように見えることから、日本で明治時代に米麹を意味する『糀』という和製漢字が生まれました。この記事の主役はこの糀甘酒です。

糀甘酒の嬉しい健康効果5選

糀甘酒には、さまざまな栄養成分が含まれています。その数は350種類以上と言われています。代表的なのは、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン)、必須アミノ酸(トリプトファン、イソロイシン、メチオニン、スレオニン、ヒスチジン、ロイシンなど)、食物繊維ブドウ糖オリゴ糖消化酵素ミネラルなどなどあります。

疲労回復

糀甘酒に含まれるブドウ糖の分子構造がシンプルで、体内で分解する必要がなく、速やかに脳に取り込まれてエネルギーとなります。疲れたときに麹甘酒を飲むと、脳にエネルギー補給ができ、疲労回復効果が期待できます。また、豊富なビタミンB群も疲労を回復させる働きがあります。

熱中症予防効果

江戸時代 甘酒売り

甘酒は冬の温かい飲み物のイメージが強いのですが、実は夏の飲み物として飲まれていたのです。俳句では、甘酒は夏の季語に分類されています。江戸時代に、甘酒は夏の栄養ドリンクとして売られていました。当時砂糖が高級品だったので、庶民はなかなか手に入りません。江戸幕府が庶民の夏バテを防止するため、甘酒の値段を老若男女誰でも買えるように制限を設けました。甘酒は庶民の大切な甘味源として重宝されました。
熱中症予防のため、糀甘酒に少量の塩を入れて飲むと、塩分とエネルギーを同時に補給ができ、おすすめです。

腸内環境改善効果

糀甘酒に含まれるオリゴ糖は、腸内細菌の善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすことで、悪玉菌が増えにくくなり、腸内環境がよくなります。また、糀甘酒には水溶性と不溶性の2種類食物繊維を含まれています。オリゴ糖と食物繊維の働きによって、便秘の予防と解消につながります。

ダイエット効果

ダイエット中の人は、甘いものをずっと我慢することで、ストレスになったことはありませんか。糀甘酒は自然の甘味料なので、甘いものの代わりに糀甘酒を飲むといいでしょう。糀甘酒は甘みのブドウ糖以外に、食物繊維やアミノ酸、ビタミンなどの栄養素も一緒にとれるので、ダイエット中の一食を置き換えできるほど満足感が得られます。一方、糀甘酒は栄養豊富ですが、飲みすぎは禁物です。1日200mlを目安に摂ると良いと言われています。

美肌効果

糀甘酒のもう一つ別名は「飲む美容液」です。糀甘酒に含まれるアミノ酸は肌の乾燥を防いでくれます。また、米麹に含まれるコウジ酸やビタミンB群ははシミの原因になるメラニンの過剰生成を抑制し、くすみやシミを薄くし、肌や髪の再生力をアップする働きがあります。

「糀甘酒」に含まれるアミノ酸の一種であるエルゴチオネインは、ビタミンの約7000倍もの抗酸化力があり、美容とアンチエイジングを強力にサポートする成分として近年注目されています。

出典:参考文献(1)参照

糀甘酒の作り方

この記事では、炊飯器で簡単に作れる糀甘酒を紹介します。

材料

米麹 300g
もち米 1.5合

作り方

米麹甘酒
1 もち米を洗い、炊飯器の4合の線まで水を入れて炊きます。
2 炊けたら、電源を切り、温度計で測りながら70℃になるまでへらでかき混ぜます。
3 米麹を入れて混ぜ合わせ、温度が60℃くらいまで下がったら、炊飯器に戻し、保温します。
4 炊飯器の蓋をあけた状態にし、かまの上に濡れた布巾をかぶせます。
5 2~3時間おきに全体をよくかき混ぜ、保温したまま8時間、甘味が出たら出来上がり。
6 清潔な保存容器に入れ、完全に冷ましてから、冷蔵庫で保存します。

保存期間

糀甘酒は密閉容器に入れ、冷蔵で1週間、冷凍で3ヵ月保存できます。

手作り甘酒に便利な道具

手作り甘酒の温度管理が面倒だなと思う方にはこちらの商品がおすすめです。ヨーグルティアあれば、かき混ぜる手間もいらずに、材料を入れて温度とタイマーをセットするだけで、誰でも簡単に作ることができます、とても便利な優れものです。

おすすめ糀甘酒のアレンジレシピ2つを紹介

糀甘酒豆乳

糀甘酒は美容効果高い豆乳と合わせて飲むと相乗効果が得られるため、女性にはうれしいレシピです。
作り方は糀甘酒と豆乳を1:1で割って、お好みですりおろしたショウガやきな粉を混ぜて飲みます。

糀甘酒ドレッシング

蒸し野菜の糀甘酒ドレッシングかけ

糀甘酒大さじ2、EVオリーブオイル大さじ1、粒マスタード大さじ2/3、塩小さじ1/2をよく混ぜて出来上がり。
こちらのドレッシングは万能で、サラダ、蒸し野菜や冷しゃぶなどによく合います。ぜひ試してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は糀甘酒の栄養成分から、体が期待する5つの健康効果をまとめました。

    • 疲労回復
    • 熱中症予防効果
    • 腸内環境改善効果
    • ダイエット効果
    • 美肌効果

糀甘酒は体にいいことたくさんありますが、飲みすぎてしまうとかえって逆効果になってしまいます。大切なのは、毎日の生活の中に、適切な量をとり入れて、継続することです。継続することで、体に起きた変化が目に見えてきます。私も自分や家族の健康のため、糀甘酒を毎日の食生活にとり入れたいと思います。みなさんも、ぜひ糀甘酒を味わってみてください。

参考文献

(1)『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』(前橋健二 あまこようこ敦(2020)株式会社アスコム)
(2)『甘酒・塩麹・酒粕ベストレシピ』(寺田聡美  一般社団法人家の光協会)
(3)『麹親子の発酵はすごい!』(山本正博 山本文晴 株式会社ポプラ)
(4)『発酵の力でおいしい毎日麹のレシピ』(おのみさ 株市会社池田書店)
(5)『糀屋本店の塩麹レシピ』(浅利妙峰 株市会社PHP研究所)
(6)【出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)】食品番号: 16050 食品群名/食品名: し好飲料類/甘酒
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=16_16050_7
(7)【出典:日本醸造学会 国菌認定については】麴菌をわが国の「国菌」に認定する-宣言-
https://www.jozo.or.jp/gakkai/wp-content/uploads/sites/4/2020/01/gakkai_koujikinnituite2.pdf

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